執筆者 Takahiro Anno
本節では下記のことを学習します。
価値仮説, MVP, シナリオ・ペルソナ, リーンスタートアップ, モックアップ
本節を読み終わった際の目標:
核となるアイデアから実際のサービス設計に落としこむまでのアクションが明確にわかっている状態を目標とします。
あなたはアイデアを思いついたとします。あなたにとってそのアイデアはとても素晴らしいもので、みんなが欲しがるプロダクトもしくはサービスのように思えます。しかし、どんな優れたアイデアであったとしてもアイデア単体ではビジネスになりません。そのアイデアを磨き上げ、数々の手法によって検証し、現実世界のビジネス構造と結びつけて、継続的に利益を上げていけるように具体的な設計に落としこんでいかなければなりません。本章ではそのようなプロセスについて解説します。
そのプロセスは大きくわけて3つのプロセスに分かれます。課題を解決できているかどうかを立証する段階であるProblem/Solution Fitの段階。プロダクトにニーズがあり、お金を実際に支払うかどうかということを立証する段階であるProduct/Market Fitの段階。最後にそのプロダクトの収益やユーザー数を拡大させるScaleの段階の3段階です。本章ではその段階ごとに求められる作業内容について簡単に解説していきます。但し、この分野に関してはそれこそ膨大な議論や本が存在するため、その全ては到底紹介できるものではありません。章末に紹介した関連書籍に是非目を通してみてください。特にエリック・リースのリーンスタートアップという本は抑えておいた方が良いと思います。
書いてある内容自体は難しいものではないので一度読むだけで理解できると思いますが、重要なのは実践することだと思います。本章を読みながら具体的な事例にもとづいて頭の中で色々考えてみてください。
最近流行っているサービスの構造をリーンキャンバスを用いて説明しなさい。また、そのサービスの初期段階のビジネスモデルの構造と現在のビジネスモデルの構造に変化があればその変遷を明示してください。そしてこのWikiにアップロードしてください。(例:iPod)
自分で一つサービスを作って一兆円企業まで育ててください(締切10年くらい)。そしてこのWikiに体験談を載せてください。
リーンスタートアップ(エリック・リース)
必読本です。議論の土台となるようなキーワードばかりなので、この本を抑えないと議論にも参加できません・・・!「MVPって何?」っていうレベルの人はまずはこちらを読みましょう。
ランニング・リーン
リーン・スタートアップが理論の解説書だとすれば、こちらのランニングリーンという本は実践の書です。リーンスタートアップを読んで「じゃあどうすればええねん!」って思った方はこちらを読むと良いと思います。
Business Model Generation
本章でも解説したビジネスモデルキャンバスについての解説書です。複雑なビジネスモデルというものをよく構造化できるようなフレームワークとなっていると思います。
[THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics – Tools – Cases ー 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計]
(http://www.amazon.co.jp/SERVICE-DESIGN-THINKING-Basics-%E9%A0%98%E5%9F%9F%E6%A8%AA%E6%96%AD%E7%9A%84%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%A8%AD%E8%A8%88/dp/4861008522/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1391591716&sr=8-1&keywords=%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0)
サービスデザインの第一線でどのようなアプローチが行われているのかということをメソッドと事例を共に解説したような書籍です。こちらはビジネスモデルからは若干離れて、どのようなアプローチでイノベーティブなアイデアを着想し、実験し、構築していくのかということに主眼がおかれて書かれている本です。