開発環境のつくりかた


Shuhei Iitsuka

プログラミングをはじめる準備


2016/04/25 追記:
2016年度からのGCI講座の受講生は、オンラインプログラミング環境のiLectを利用できます。
また、入門編の課題提出では、paiza.IOや、Tutorial Point(その1その2)などの外部サービスを活用しても構いません。
以下の手順は、共同研究において、さらに発展的なブログラミングを行うための、参考としてお読みください。

プログラミング環境の構築方法は OS ごとに異なります。
ここでは、UNIX 系 OS がインストールされているパソコンで作業を行うことを想定します。

あなたのパソコンは以下のどれに当てはまりますか?

  • Mac OS X (マック): Mac OS X は UNIX ベースの OS です。このまま進んで大丈夫です。
  • Windows (ウィンドウズ): Windows で作業を進める場合は別途環境構築作業が必要になります。
    Windows ユーザのための Ubuntu 環境構築方法を参照して、プログラミングのための準備をしてから進んでください。
  • Linux: このまま進んで大丈夫です。

UNIX 系 OS が用意できたら、ターミナル(Terminal).app を開いてください。
Mac ユーザの場合は、Spotlight に”terminal”や”ターミナル”と入力するとターミナル.app へのリンクが現れます。
「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」フォルダにもリンクがあります。
コマンドを入力するまっさらな画面 (シェルと呼びます) が現れたら準備完了です。

ターミナルの起動方法

ターミナルの起動方法

シェルではマウスやウィンドウではなく、コマンドによってパソコンに命令を与えます。
ちなみに、マウスやウィンドウなど視覚的にわかりやすいツールでパソコンに命令を与える枠組みのことを GUI (Graphical User Interface)と呼びます。
これに対して、コマンドをキーボードで入力することによってパソコンに命令を与える枠組みのことを CUI (Character User Interface) と呼びます。

これからプログラミングを修得する上では、CUI に慣れていたほうが何かと便利です。
はじめはとっつくにくいかもしれませんが、使っているうちに慣れますので、怖がらずに使ってみましょう。

UNIXコマンド

UNIX 系 OS では、UNIX コマンドというコマンドをシェルに入力することで、ファイルの操作やプログラムの実行を行います。
まずは UNIX 系 OS のファイルの仕組みと最低限のコマンドを把握しましょう。

UNIX のファイル構造

UNIX 系 OS は下図のような木構造のファイル構造になっています。ウィンドウズでも同様ですね。

UNIXのファイル構造

一番根っこにあるのがルートディレクトリ/です。ここから様々なディレクトリ(フォルダのこと)やファイルがぶら下がっています。
もうひとつ大事なのはホームディレクトリです。Mac なら /Users/ユーザ名/ がホームディレクトリにあたります。Linux なら/home/ユーザ名 です。
基本的に自分の作業はホームディレクトリ以下で行います。
ホームディレクトリ以外には、OSを動作させるのに必要なシステムファイルが入っていることが多いので注意が必要です。
ちなみにホームディレクトリには~(チルダ)という別名が与えられています。~を指定するとホームディレクトリを指定しているのと同じことになります。

ファイル操作のためのコマンド

次に、UNIX でファイルを取り扱うためのコマンドを説明します。
Mac の Finder や Windows のエクスプローラに相当する作業をコマンドで行うと考えてください。

CUI でファイル操作を行う際には、現在地(今自分が作業をしているディレクトリ)を意識することが重要です。
Finder やエクスプローラの場合はファイル構造がツリーで表示されているので、自分がどのフォルダに操作を施しているのかがわかりやすいですが、
CUI の場合は慣れるまで自分がどこにいるのか見失いがちです。
現在地はコマンドの左側に常に表示されているので、意識するようにしてください。

現在地

下記はファイル操作を行うための基本的なコマンドです。
一度に覚えなくて良いので、課題をこなす中でマスターしていきましょう。

  • ls: 現在地にあるディレクトリとファイルを一覧表示する (List)
    • ls ~/Desktopのように、特定のディレクトリを指定して一覧表示することもできる。
  • cd: 現在地を移動する (Change Directory)
    • cdと打つと、ホームディレクトリに移動する。
    • cd ~/Documentsのように、ディレクトリを指定して移動する。
  • mv: ディレクトリまたはファイルを移動する・名前を変更する (Move)
    • mv ~/hoge/test.txt ~/piyo/test.txtとすると、test.txtをhogeディレクトリからpiyoディレクトリに移動する。
    • mv before.txt after.txtとすると、before.txtをafter.txtに名前変更する。
  • cp: ディレクトリまたはファイルをコピーする (Copy)
    • cp ~/hoge/test.txt ~/piyo/foo.txtとすると、hogeディレクトリ以下にあるtest.txtをpiyoディレクトリ以下にfoo.txtという名前でコピーする。
    • cp -R ~/hoge ~/fugaとするとhogeディレクトリをfugaディレクトリという名前でコピーする。
      ディレクトリ単位の操作をする場合は-Rをつけることを覚えておいてください。
  • mkdir: ディレクトリを新規作成する (Make Directory)
    • mkdir hoge hoge というディレクトリを作成する
  • cat: ファイルの中身を見る (Catenate)
    • cat test.txt test.txt の中身を見る
  • rm: ディレクトリやファイルを消す
    • rm test.txt test.txt を削除する
    • rm -r hoge hoge ディレクトリを削除する

さらに便利な UNIX コマンドを知りたい方はUNIXコマンド入門 – ドットインストールの#04以降が参考になります。